2022年のテーマパーク論〜ディズニーランドから遠く離れて
Video will not be published (Available Period: until 9/9/2022 (Fri) 23:59 JST)
【出演】
谷頭和希(ライター)
中村香住(社会学者)
中野キュー(テーマパークラボ代表)
このトークイベントの目的は、「テーマパーク」の意義をあらゆる角度から考え、それを取り巻く社会・文化・都市などと合わせて語ること、つまり「テーマパークから考える」ことです。テーマパークとは「あるテーマをモチーフとして、園内のアトラクションやレストラン、ショップがすべて演出された施設」のことです(もちろん、この定義についてもさまざまな考え方があると思いますが、それもまたイベントの中で話されるでしょう)。そこでは、人々が想像する目に見えない「テーマ」がさまざまな方法で可視化され、目に見える一つの統一的な園内を形作っています。
テーマパークの始まりは、1955年にアメリカのアナハイムに誕生したディズニーランドだといわれています。ディズニーランドを作ったウォルト・ディズニーはそれまでの娯楽施設としてメジャーだった遊園地に変わる施設として、園内全てがディズニーという「テーマ」で徹底的に統一された施設を作ったのです。ディズニーランドは大きな反響を呼び、以来、世界各地にさまざまな「テーマ」を持ったテーマパークが誕生し、人々を楽しませてきました。
やがて、テーマパークを学術的に位置づける言説もあらわれはじめます。もっとも早いものでいえば、能登路雅子『ディズニーランドという聖地』などがあり、特に近年では、速水健朗『都市と消費とディズニーの夢』や東浩紀・大山顕『ショッピングモールから考える』など、都市論・建築論などの分野から、その意義を語る論者も多く現れています。そこでは、我々のトークイベントが目的としている「テーマパークから考える」というスタンスが見られ、大いに学べる研究になっています。
しかし、そこでのテーマパークの語られ方は不十分ではないか、というのが私たちの問題意識です。それはなぜか。そこで語られるテーマパーク観が「ディズニーランド中心史観」ともいえるパースペクティブを持っているように感じられるからです。もちろん、先ほども語ったように、テーマパークを考える上でディズニーランドは外すことのできない存在ですが、現在の世界を見渡せばテーマパークと呼ばれる施設はディズニーランド以外にもたくさん存在します。また、テーマパークの概念を「人々が想像する目に見えない「テーマ」がさまざまな方法で可視化」されたものだと捉え直せば、ディズニーランド以前にもテーマパークと呼べるような施設は存在していたといえるのではないか?逆に、テーマパークとディズニーランドの結びつきを強く語れば語るほど、テーマパークを考えることから見えてくるさまざまな可能性の芽を摘み取ってしまうようにも感じます。
そこで、本イベントではこの「ディズニーランド中心史観」を更新し、新しい「テーマパーク論」を語ることでいったいなにが見えてくるのか、じっくりと語り合いたいと思います。
いずれにしても、これまでの「テーマパーク論」で語られることのなかったテーマパークの歴史や面白さ、そこから見える社会や文化、都市の姿を徹底的に語りつくしたいと思います。予測不可能なトークライブをどうぞお楽しみください!
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